世界の資金が日本へ向かう理由
現在、日本株や日本の不動産に世界中から膨大な資金が集まり、価格が高騰しています。その背景には、大きく分けて2つの明確な理由が存在します。
ひとつ目の理由は、外資系企業による「東京一等地の争奪戦」です。現在、最高級の価格帯で豪華な施設やきめ細かなサービス、非日常的な体験を提供する「ラグジュアリーホテル」を建設するため、外資系企業が駅近の優良な土地を次々に購入しています。
都心の一等地では土地価格が高騰しすぎているため、もはや一般的なマンションやワンルームマンションを建てても採算が合いません。そのため、大企業も「アパートメントホテル」や民泊といった、より収益性の高い事業形態に参入せざるを得なくなっているのです。
そしてその結果として、民泊やアパートメントホテルの一泊あたりの料金や、周辺の家賃も高騰を続けているという状況が生まれています。
そして2つ目の理由は、市場に供給されている資金量、すなわち「マネタリーベース」の圧倒的な増加です。
2012年後半から2013年初頭にかけて、約100兆円前後で推移していた日本のマネタリーベースは、第2次安倍政権時のアベノミクスによる異次元緩和が始まったあと、約500兆円超へと急増しました。日銀が紙幣を刷り、市場に流した形です。
さらに次の大きな転機となったのが、2020年のコロナ禍でした。国は危機的な状況が生じた際、かならず財政出動を行うため、コロナによるパンデミック時にはマネタリーベースを700兆円まで増やしたのです。
しかし、これは日本だけの動きではありません。世界を見れば、日本に限らずアメリカや欧州、中国といった主要国の中央銀行も、同様の財政出動を行いました。
その結果、現在、地球上にはおよそ「1京6000兆円」もの膨大な資金が回ることになったのです。
一方で、日本の上場企業の時価総額合計は、1100兆円ほどにとどまっています。つまり、世界の資金のうち16分の1程度しか、まだ日本には流入していないということです。
資金は常に、割安な投資先を探します。その視点で見ると、日本株や日本の土地は、世界から見て非常に割安な存在でした。
結果として、現在の日本の株や土地は「ローハンティングフルーツ」、つまり割安で簡単に手に入る果実のような状態になっており、この圧倒的な資金の受け皿としてマネーが流れ込んでいるのです。
